薬の飲み忘れ「年間約500億円」!?ー医療費を抑える3つのことー

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増え続ける医療費

医療費の増大が問題となっていますが、実際どれくらい上がっているのか考えたことはありますか?

なんと、、、この20年間で倍になるほど増大しています!この結果から政府は医療費を抑えようと頑張っています。

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いざ、統計としてデータ化するとすさまじいものがあります。医療費が増大する(高齢者が増大する)と生産人口(働き世代)は高齢者を支えるためにガンガン保険料を取られていきます。それが医療費、年金のシステムです。

医療費を抑えるためにできることは?

大きく分けて3つあります。

病気の早期発見、早期治療

定期的に健康診断を行い、その都度食生活について見直してください。病気の早期発見、早期治療は医療費の抑制につながります。本人にも国にもメリットがありますね!とにかく、病気にかからないことが医療費を抑制することに繋がります。

ジェネリック薬品の選択

よく「ジェネリック」って聞きますよね。ジェネリック薬品とは「後発医薬品」のことを指します。ジェネリック薬品の説明については割愛しますが、簡単に言えばappleのロゴが入っていないiphoneだと思ってくれればいいと思います。(ちょっと違うかも…?)それ故に成分が同じで、安く買うことができます。安く買える分だけ国の負担が減るので医療費がやすくなるのです。

いきなり大病院にいくのはやめよう

病床200以上の病院では、初診時に特別料金が加算される場合があります。症状が軽い場合は町医者を訪ねて、紹介状を書いてもらい、その後大病院へ行くという手順がよいと思います。そもそも、大病院は待ち時間が長いので、あまりおすすめしません。

現役世代と高齢者の医療費の割合

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現在、医療費の6割が高齢者医療に使われています。これから高齢者が増加していくという事実は変えられようにありません。そこで、健康寿命を延ばし、予防医療を発達させることこそが医療費を抑制するカギとなります。

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60代以降、医療費が増加していることが分かります。少しでも長く健康に、入院しないで過ごすことが、かかる医療費の削減につながります。

では、医療費はどれくらい膨らんでいるのか?疑問に思いますよね。

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 少し古めの統計ですが、1年ごとにおよそ1兆円増加しています。医療費42兆円のうち16兆円が税金で支えられています。これが毎年1兆円増えていくということは…当然私たちの家計から1年ごとにそれだけ増えていくことになります。

高齢者は現役世代に比べ、約4倍の医療費がかかっていると言われています。それは、病気にかかる頻度が増え、なおかつ持病を複数持っているケースがあり、かかる治療費が増大していることに起因しています。

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高齢期には年齢に比例して投薬数が増えます。高齢者が増えるということは、治療に使う薬の総数が増加することになりますので、医療費も増加します。このグラフは平均値を取っていますので、薬を飲んでいない方もいれば、10個にも及ぶ薬を飲んでいる方もおられます。

地域包括システム

現在厚生労働省が2025年を目途に推進している医療システムとして「地域包括ケアシステム」が謳われています。その内容は、地域一体型の医療システムというもので、地域の事情に応じて、医療、介護、介護予防、日常生活の支援が包括的に確保される体制・ネットワークを充実させる、というものです。言葉で書くと難しいですが、図で見ると理解しやすいと思います。

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余計難しかったりして…笑

簡単に言えば、最初に大学病院や総合病院に行くのではなく、まず町医者から始めて、より高度になれば高度な病院に任せるということです。かぜの症状で総合病院にかかる必要はありませんからね。ここで、大事なのが在宅医療も重要な医療行為となるということです。今までの「病院へ行く」医療システムから、「在宅で医療を受ける」に変化させようとするシステムです。

では、「地域医療包括ケアシステム」の構築で医療機関はどう変わるのかというと、調剤薬局が大きく変化します。

いままでは病院の目前や付近にあった「門前薬局」の出店から、「かかりつけ薬局」を意識した「面分業薬局」へと変化していきます。面分業薬局とは、駅前や商店街など利便性の高い場所に立地する、どの医療機関からも処方箋を受ける薬局のことです。

これからの調剤薬局は「かかりつけ薬局」の調剤業務を通して地域住民の健康をサポートすることになると思います。

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「かかりつけ薬剤師」が普及するにつれて「地域包括ケアシステム」も拡大していきます。これからは「在宅医療」が主流になっていくことになるんだろうと思います。

医療は効率化できるか

医療は「現場重視」です。これからも「医療現場重視」の基本的な概念は継続されるものの、医療費抑制の観点からICT(情報伝達技術)化や効率化は議論されいます。

患者さんへの処方には「リフィル処方」と海外では一般的になっている「メールオーダー処方」などの普及がさせるというものです。

リフィル処方とは…

患者医師の再診を受けることなく、処方箋1枚で繰り返し薬局を受け取ることができる処方箋である。多くの場合、病状が安定した患者において医師が期限を決めて処方箋を書き、その期限内であれば薬剤師のモニタリングの元に、その都度繰り返し調剤が行われる。薬剤師はモニタリンク結果を薬歴や調剤録に記録をとる。薬剤師が再受診を必要とすると判断した場合は調剤は行われず主治医に受診勧奨を行う。薬剤師によるモニタリングを前提とした仕組みである。(Wikipedia 

 毎度医師の診察に行かなくてよくなるのが利点です。いちいち1時間も並びたくないですよね…

メールオーダー処方とは…

病院で処方箋を発行してもらい、調剤薬局で処方薬を受け取るという方法ではなく、メールやFAXで処方箋を発送してもらい、処方薬を宅配や、近くの薬局などで受け取れる仕組みのことになります。(https://scienceshift.jp/think-about-ploblem-of-2025-1/

それに加え、服薬情報の一元化・継続的な情報の把握し、ITを活用したビッグデータの管理が今後必要になると思います。

迫る残薬問題

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飲み忘れ、飲み残し等で年間500億円ほど薬が無駄になっています。

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先程掲載した画像を思い出してください。

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85歳以降は平均投薬数が5個です!そりゃ、飲み忘れも発生しますよね…。

副作用は薬が増えれば増えるほど、強くなっていきます。

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副作用で体調を崩してしまっては、本末転倒です。薬を少なくするよう努めていかないといけませんね。

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副作用の一覧ですが、上記が副作用の主な症状です。

これからの医療費の問題として、どれだけ薬を減らせるのか、ということになります。

残薬問題を解決するために、様々な試みもされています。例えば…

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このICタグにより、患者さんがしっかりと服薬しているのかどうか、管理することができます。これにより飲み忘れも改善され、生活の質も良くなることを目指します。

埼玉県では薬剤師が在宅訪問を行い、積極的な服薬指導を行った結果120万円ほど削減できました。

 

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どこの自治体、都道府県も徹底すれば医療費の削減ができます。100万円でも、47都道府県で削減できれば4700万円の削減につながります。

さいごに

薬は有料です。患者の自己負担割合は3割、ほかは国が負担しています。3000円の薬は本当は10000円するのです。そして、国の負担と聞けば私たちが払っていないような気がしますが、私たちの給与からガンガン減らされていきます。医療費の削減は私たちの生活に直結しています。面倒くさがらずに、すこしでも残薬を減らして医療費を抑えていきましょう!